習得重要度Aこのページは、ほぼマクリーン事件なので、その意味でAランクになる。というより、マクリーン事件を知識がしっかりしていれば、何の問題もないページ。


それでは、外国人の出入国の自由についてです。

まず、前提をお話しておきましょう。
入国の自由についてですが、常識の話ですが、そんな自由はありません。
もちろん、日本に限らず、世界中どこでもそうですし、日本人だって他国へ入国する自由などありません。

入国の可否は国家が自由裁量によって決します。

次に、出国の自由です。
その点、日本国民の場合は自由が認められています。

第22条2項

2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

もっとも、
外国人ですから、出国の自由は強く保障しなければならないでしょう。
出国の自由は保障されています。

ですから、ここで問題とするのは外国人の再入国の自由になります。

再入国の自由

日本に在留している外国人が、在留期間満了前に再び入国する意思を持って出国することを再入国と言います。再入国する意思がある場合、出国前に再入国の申請しますからね。

判例では否定説に立っています。

我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものでもない・・・指紋押捺拒否を理由としてなされた法務大臣の本件不許可処分は、社会通念に照らして著しく妥当性を欠くということはできず、裁量権を濫用した違法性はない。

森川キャサリーン事件【最判平4.11.16】(ウィキペディア)

つまり、入国の場合と同じ考え方で、法務大臣の自由裁量ということです。

学説ではやはり肯定説が多数を占めており、有力説となります。
再入国に場合は、当該外国人の「人となり」はある程度把握できているから、
入国の場合と同様に考えるのはどうだろうか、と考えます。

また、定住外国人の場合は、生活拠点が日本にあるのだから、
日本国民の海外旅行の自由と同視するべきとしています。

もっとも、
再入国を認めることによって、著しくかつ直接に日本国の安全と独立及び日本国民の福利を害することが明白な場合は、再入国を拒否し得るものと考えます。

在留の自由

在留の自由についてもお話しておきますが、
ここは有名な判例「マクリーン事件」をご紹介しておきます。

憲法22条1項は、日本国内における居住・移転の自由を保障する旨を規定するにとどまり・・・憲法上、外国人は、我が国に入国する自由を保障されているものでない・・・

外国人の在留の許否は国の裁量に委ねられ、我が国に在留する権利ないし引き続き在留することを要求することが出来る権利を保障されているものでもない・・・

政治活動の自由

外国人の政治活動は保障されているのでしょうか。

政治活動とはそもそも21条の表現の自由にて保障されていますが、
外国人でも表現の自由は保障されているといっても差し支えないでしょう。

政治活動にしても、我々日本人のみの意見よりも、
外国人からの意見も参考になる部分も少なくないと思います。

もっとも、政治活動の自由とは、参政権的性質を帯びています。
参政権は、国民主権原理や15条によって日本国民固有の権利と規定され、
そこには外国人の余地はほとんどありません。

ですから、
外国人の政治活動は保障されてはいますが、それは限定的な保障にすぎず、
国民の政治的意思形成に不当な影響を与えるような政治活動は認められないと考えていくべきでしょう。

政治活動の自由についても、我が国の政治的意志決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ・・・

外国人に対する憲法の基本的人権の保障は、右のような外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎない・・・すなわち、在留期間中の憲法の基本的人権の保障を受ける行為を在留期間の更新の際に
消極的な事情としてしんしゃくされないことまでの保障が与えられているものと解することは出来ない

マクリーン事件



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