習得重要度Bこの外国人の社会権については、生存権のところの補足というかたちになる。社会権という人権がどんな人権であるかということ、外国人の人権享有主体性の基本規範を踏まえて検討してほしい。


社会権とは、社会的・経済的弱者に対して、
人間として生きていくために国家が積極的に介入することを求める権利です。

社会権と呼べる権利はいくつかありますが、
代表的なのは生存権(25条)です。

もっともイメージもしやすいと思いますので、
ここでは外国人に生存権が保障されいるのか、ということでお話します。

第25条

 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

では、生存権は「権利の性質上」外国人に認められるのでしょうか。
この点、参政権の場合に近い考え方になります。

この生存権では、参政権の場合のように国民主権原理がぶつかるわけではありません。ならば、外国人にも生存権の保障しても良いようにも思えます。

しかしながら、
生存権は国家に対して積極的政策を請求する権利であり、
国家というものがあることが前提になっている後国家的権利です。

こちらのページで、人権を保障してくれるのは国家である、とお話しましたが、
この社会権なんぞは、その典型例です。

国というものがあって初めて成り立つ人権であり、
いくら日本で生活しているからって、
外国人を日本の税金で社会保障するいわれはないわけですね。

理屈から言えば、
その外国人の国籍の国家から保障してもらえば良いわけです。

とすれば、外国人にも生存権は保障されているとは言い難いものがあります。

ただし・・・

ただし、日本国憲法は「個人の尊厳・個人の尊重(13条)
を根本的価値としており、生存権はこの「個人の尊厳・個人の尊重」の実質的に実現し得る人権と言えます。

又、憲法上の要請はないが、
立法政策によって保障していくことは許容され得る
とされています。

この外国人の社会権について、重要な判例があります。

生存権のところで解説しますのでここでは割愛します。
→「平成元年3月2日最高裁判決 塩見訴訟」


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