習得重要度B試験との関係では重要ではないが、過去に行政書士試験で出題あり


この「憲法の意味」とは、よく参考書に付けられているトピックです。
個人的意見ですが、議論的にはあまり意味を成さないような気がするし、
試験的にも重要ではないのですが、過去に出題されているので、
取り上げておくべきかなと思いまして。

この「憲法の意味」とは、
「憲法とは?」みたいに、憲法とは何?みたいなことではなく、
「憲法」という単語にはいろんな意味があるよ、という話なんですね。

憲法の分類の話だと思ってください。

例えば、車は形状的にいろんな分類ができますよね。
セダン、クーペ、ステーションワゴンとか。そういうことです。

まず、憲法は、「形式意味の憲法」と「実質的意味の憲法」に分類できます。

形式的意味の憲法と実質的意味の憲法

形式的意味の憲法

形式的意味の憲法とはつまり、皮(がわ)、外面だけに注目した憲法です。

外面だけに注目ですから、
少なくとも形として憲法が存在するが、中身は問わないとします。
もう少し具体的に言えば、憲法典としての形(成文といいます)があって
体裁はあるが、その中身については注目しません。

つまり、憲法典という形式さえあれば、
中身が「マナー5か条」でもそれはそれで良いということなんです
(極端ですけど)。「これが「形式的意味の憲法」です。

実質的意味の憲法

今度は「実質的意味の憲法」。
形式的とは対照的に、外面は成文だろうが不文だろうが気にしません。
あくまで内容重視の、特定の内容を持った憲法のことを実質的意味の憲法といいます。

その内容も、特定の内容であればなんでもいいというわけではなくて、
あくまで「憲法として実質的なもの」である必要があります。

例えると、
「私はイケメンなら性格はどうでもいいわ」が形式的意味の憲法ならば、
「私はとにかく内面重視ね。やさしさは絶対に必要。ルックスは気にしないわ」
が実質的意味の憲法です。

この実質的意味の憲法ですが、2つに分類することができます。

固有の意味の憲法と立憲的意味の憲法

固有の意味の憲法

実質的意味の憲法の、特定の内容に注目した憲法ということを踏まえて先に進みます。

「固有の意味の憲法」とは、
国家統治の基本を定めた法としての憲法をいいます。

国があれば、当然に国家権力があります。
国家権力とは、すなわち、国家統治機関でありますが、
その国家統治機関についての法ですね。

この意味でいうところの憲法は、国があって憲法がある以上、
いかなる時代でもいかなる国家でも存在するわけですね。

立憲的意味の憲法

そして、「立憲的意味の憲法」です。

この立憲的意味の憲法とは、
国家権力を制限することにより国民の自由を保障していこうという立憲主義に基づく
憲法のことをいいます。

立憲主義とは、近代憲法の基本理念ですから、「近代的意味の憲法」
ともいわれています。

この意味でいう憲法は、日本国憲法の基本原理でもありますし、
重要な考え方になります。

大前提は、国民の自由を保障すること。
そのために国家権力の制限し、その趣旨を持って国家権力も組織されなければならないという考え方になります。

1789年のフランス人権宣言16条にも、この立憲的意味の憲法の趣旨が盛り込まれています。

権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、
憲法をもたない。

「1789年 フランス人権宣言 人間と市民の権利の宣言」

<3>大事なのは、立憲的意味の憲法

試験対策としては、とりあえず、実質的意味の憲法についてイメージできて
いれば、それで十分よろしいのではないかと思います。

そして、大事なのは立憲的意味の憲法。
この「立憲~」というのは、近代憲法の基本理念ですし、
日本国憲法にも非常に関係が深いです。

それなりに絡みが大きいので、イメージできればそれでOKですが、
そのイメージはしっかり押さえておくべきではないかと。