習得重要度A論点が4つも5つも出てくるところで、すべて重要箇所である。行政法のからみもある「唯一の立法機関」の例外はどの試験でも要注意。なんでもそうだが、「例外」というのは気をつけておいたほうが良い。


「唯一の立法機関」とは、
立法権を国会が独占しているという意味になります。
裁判所にも行政にも立法はさせないということですね。

「国会議員の仕事は法律を作ること」なんて聞いたことあるかなと思いますが、
まさに、民主主義で選ばれた国会議員に、自分たち国民の人権を制限し得る
法律の制定を独占させることによって、実質的な民主主義の本質に担うと言えるでしょう。

こういうのを「治者と被治者の自同(同一)性」と言います。
民主主義の本質のひとつですが、覚えておくと良いかもしれません。

もっと話を進めていきましょう。

「立法」とは

ここでいう「立法」とは、実質的意味の立法のことを言い、
実質的意味の立法とは、一般的・抽象的法規範の定立のことです。

民主主義の憲法体制では、広く一般的な立法概念を据えるべきであり、
不特定多数の人に適用でき(一般性)、不特定多数の事件に適用
されるような(抽象性)規範を国会でなされる立法と考えてきます。

内容

そして、「唯一の立法機関」の内容は、

  1. 国会中心立法の原則
  2. 国会単独立法の原則

を意味します。

国会中心立法の原則とは、
「国会による立法以外の実質的意味の立法は、憲法の特別の定め
がある場合を除いて許されないこと」を意味します。

国会単独立法の原則とは、
「国会による立法は、国会以外の機関の参与を必要としないで成立すること」
を意味します。

例外

ただし、例外はあります。
例外があるということは、そうした方がベターだからということですね。

下の表は、
国会中心立法の原則と国会単独立法の原則の意義と例外を表したものです。

国会中心立法の原則 国会単独立法の原則
意義 国の立法はすべて国会によって行われること 立法の手続に国会以外の機関が参加することが
ないこと
例外
  1. 内閣の政令制定権(73条6号)
  2. 両議院の規則制定権に基づく議院規則
  3. (58条2項)
  4. 裁判所の規則制定権に基づく裁判所規則
  5. (77条)
  6. 地方公共団体の条例制定権(94条)
  1. 内閣の法案提出権
  2. 地方特別法制定のための住民投票(95条)

例外の部分で問題にしたいのは、まず「内閣の政令制定権」です。
内閣の政令制定権とは委任立法のことです。

委任立法とは、
本来法律で定めるべき事項を他の機関による下位の法形式に委ねる
ことを言いますが、これが「唯一の立法機関」の41条に反するのではないか
という問題があります。

結論から言えば、
認められると考えていきます。

これは福祉国家実現のためには、
専門知識があり、機敏性に富む行政部に委任する必要性があり、
73条6号但書は、委任立法の存在を前提としていると思われ、
委任立法は国会中心立法に反しないとされています。

もっとも、
全くの白紙委任は許されず、
個別・具体的委任でなければならないと考えていきます。

次が、
国会単独立法の原則の例外である「内閣の法案提出権」です。

これも、
一見国会単独立法の原則に反しそうですが、
結論は反しないと考えます。

内閣の法律発案権は、
国会の議決を拘束するものではなく、また、
議院内閣制の建前から言えば、
内閣の法律発案権を認めるのも妥当な線であると考えます。


統治機構