習得重要度A抽象的かつ難解。ただ、解釈的問題は司法試験レベルでないと出題されないと思われるので、イメージできれば良し。ポイントは、何の話をしているのか見失わないこと、「力」と「権威」の中身を理解すること。


最高決定権、すなわち主権には2つの側面があることを理解して頂きたいと思います。もう一度、最高決定権の意義を思い出してください。

国の政治の在り方を最終的に決することのできる力又は権威

最高決定権の中に「力又は権威」とありましたが、
これは似て非なる意味を持ちます。

ここで言う「力」とは、
主権者たる国民が国の政治のあり方を最終的に決定する権力を有するという意味で、これを「権力的契機」と言います。

そして、「権威」とは、
国民が国の政治のあり方を最終的に決定する権威が国民にある、という意味になり、これを「正当性の契機」と言います。

最高決定権の2つの側面

最高決定権には、このように2つの「顔」があるんですね。
では、この2つの「顔」について、それぞれご説明していきます。
ちょっと難しい話になりますので、最低限、イメージできていれば、
いいかなと思います。

権力的契機

この場合の最高決定権とは、主権行使、つまり、権力行使ですが、実際に行使するのは、国民の中でも有権者です。
有権者が国民主権という権力を行使することによって政治を変えるという意味を示します。

このように、最高決定権(主権)とは、有権者がその権力を行使することによって政治を変える「力」があるという「顔」を持っているわけです。

正当性の契機とは

「権力的契機」はある程度イメージがつきやすいと思いますが、この「正当性の契機」という概念、憲法を学ぶにあたって最も理解しづらい概念の一つだと個人的には思っているのですが、下のイラストを見ながら進めてください。

正当性の契機イメージ

イラストの左側は、ある会議の様子なのですが、社長が出席しています。
喧々諤々の会議だったのですが、結局、「鶴の一声」で新企画が決定してしまいました。
不満気味の人もいますが、「社長が決めたことだから・・」とあきらめるしかありません。

この場合、この会社の最高意思決定権者は社長です。
その「社長の意思」には権威がありますので、
その意思決定という行使には正当性の契機があるということになります。

イラスト右側です。
とある部署で今度の会議でのプレゼン内容についてのミニ会議の様子です。
部署内みんなの意見を3人でまとめています。
責任者は違う意見も持っていましたが、
最終的には部署の総意が会議で提出することになりました。
理由は「部署内の総意」だからです。

「みんなの総意」には権威がありますから、そこには正当性の契機があると言えます。

ここでは、主権という権力行使の正当性を言っているわけで、
その正当性を、国民の意思という「権威」に見出すのですね。
最高決定権には、そういう顔も持っているのです。

前文より・・・

ちなみに、この権力性の契機と正当性の契機という考え方は前文の一節から考えられています。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使