習得重要度Bここは「司法権の限界」の概論部分なのでBランクだが、各論ではAランクもあるので、そこはしっかり。ただ、この「司法権の限界」と「法律上の争訟」の枠外が、ごっちゃになっている人もいると思われ、そこは区別できるようにしておくと良い。


司法権について、それと、司法権が及ばない
(法律上の争訟でない)場合についてお話してきました。
これは、すなわち、枠内と枠外の話です。「A or B」ということですね。

司法権の限界の立ち位置

「司法権」の枠内がAなら、枠外(「司法権及ばず」の部分)がBです。

司法権について、まだお話は続きます、というか、試験との関係では、
ここからがさらに重要になってきます。

これまでは、「A or B」でしたが、ここでは「A or A’」のお話です。

「法律上の争訟」が、司法権の核心部分ですが、この「法律上の争訟」
を満たしていても、司法権が及ばないものがあるんです。例外があるん
ですね。

上の図でいえば、「司法権」の枠内の中に、もう一つ枠があり、
それが例外ですよ、ということです。

この例外を、「司法権の限界」といったりします。
これまでの要件を満たすかどうかの話ではなく、本来的には及ぼすこと
はできるが、司法権を及ぼすべきでないとする領域がある、
と司法(裁判所)が自制している、というイメージですね。

ここでは、司法権の限界についてイメージできて、その類型3つ(下記)
がわかればオッケーです。パターンがいくつかあるので、その辺は個別
ページなどを参照ください。

この「司法権の限界」は、判例がたくさん出てきます。そして、本試験
でも統治機構では最頻出論点の一つです。判例を中心に、しっかり身に付
けておくと良いと思いますよ。

憲法上の限界

これは、憲法に司法権の限界を意味する規定がある場合です。これらは、76条1項の例外規定といえます。

  • 国会の各議院による議員の資格争訟の裁判(55条)
  • 国会による裁判官の弾劾裁判(64条)

資格はく奪を不服として裁判所に救済を求めることはできません。

それと、55条は、三権分立の例外という視点も持っていたら良いと思います。
意味はわかりますよね?裁判所以外が司法権を行使するのですから。

国際法上の限界

こちらは、条約や治外法権による司法権の制限です。
大使などには治外法権がありますが、そういう場合には司法権は及ばないとされます。

また、日米安全保障条約によって駐留米国軍人などには刑事裁判権が及ば
ない場合もあります。そういう事例が過去にもありましたよね?

性質上の限界

上の2つはまあ、規定等があるわけだから、何ら難しいものはありません。
明文規定がないだけに、ここは問題です。

性質上の限界ってどういうことなんでしょうか?
4つほどの類型がありますが、一つ共通しているのは、「尊重」です。
司法権の介入は可能なのですが(「法律上の争訟」である)、そこは一定
の主体性を認めて尊重し、介入を控えた方がより良いとしているのですね。

正直申しまして、この司法権の限界のこの部分は、憲法の中でも、最もわ
かりづらい箇所のひとつだと個人的には思っています。
なにせ、区別が簡単ではないし、ちょっとした複雑さもある。

ですから、解説も難しいのです(苦笑)。

それはさておき、詳しくは次のリンク先へお進みください(まだ用意中途です。後日、随時アップします)。