習得重要度A比較的細かい知識になってくる類の部類だが、何気に行政書士試験などに出題される。他の財政の規定と一緒。「流れ」を掴んでおきたい。


財政は国会の議決によらなければならない(財政民主主義)とお話していますが、
さらにさらに中身についてお話しましょう。
もちろん、ここでも財政民主主義が及んでいきます。

第86条

内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

予算の話ですね。
「予算」とは、一会計年度における歳入歳出の予定的見積もりを内容とする国の財政行為の準則と定義付けられます。

「準則」という単語が出てきますが、
「準則」とは、規則に則るとか、則るべき規則とか、そういった意味合いです。

概算要求イメージ図

国会関連のニュースなどをご覧になるとイメージがつきやすいと思いますが、毎年夏の終わり頃に、各省庁が財務省に対して「来年度はこのくらい必要なんです」と示します。これを「概算要求」といいます。ご覧になったことありますでしょうか。

そして、これを財務省が取りまとめて、内閣が予算案として国会に提出します(73条5号)

その予算案を基にして、国会で喧々諤々するわけですね。そして、議決を経て翌年度の予算となるわけです。86条はそういうことを規定しているわけです。

予算審議までのイメージ

この予算、国会の議決で定立されるもの、準則ですから、一種の法規範であるといえます。

ということは、この国会の議決によって定立された予算は、政府を拘束することになり、これに反する支出は、違法であると考えます。

もっとも、法律ではないので、一般国民は拘束されることはありません。

予備費

第87条

1 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を経なければならない。

国会の議決を経た予算でも、当初は想定できなかった支出というものもあり得ると思うのですが、そういった場合のために「予備費」という規定も置かれています。予算オーバーのための救済措置とでも言いましょうか・・・

ただし、予算オーバーの救済措置といっても予め、予備費というものを予算として計上して議決は経なければなりません。実際に支出するかしないかは別として。

そして、いざ必要だとなった場合は、内閣の責任において支出することができますが、支出した後にちゃんと国会の承認を経なければなりません

場合によっては国会の事後承認が得られないこともあり得ますが、だからといってその支出がなかったことになるというものではありません。

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