習得重要度B行政書士試験で言えば、憲法のところで出てくる可能性は低めだが、基礎法学の問題として出題される可能性は大いにあり。


憲法31条の適正手続の保障では、手続の法定・適正のみならず、
実体法の法定・適正が不可欠であるわけですが、この「実体法の法定・適正」を「罪刑法定主義」といいます。

すなわち、手続法である刑事訴訟法の法定・適正のみならず、実体法である刑法の法定・適正が不可欠であるということになります。

罪刑法定主義とは

で、この罪刑法定主義、すでに言いましたが、刑法の基本原則になります。罪刑法定主義とは、人を犯罪者として処罰するためには、民主主義の過程で制定された法律によって、予め罪(構成要件)と罰を明確にしておかなければならないという原則です。

「法律なければ犯罪なし」
「法律なければ刑罰なし」

こんな格言、聞いたことありませんか?
これはまさに、罪刑法定主義を表したものです。

刑法は法律ですから、民主主義機関である議会にて制定されます。そして、刑法はもちろん公表されており、誰でも見ることができます。

つまり、どんなことをしたらどのくらいの罪になるのかは、誰でも知ることができます。これは、違う視点で見れば、これをしなければその罪には問われないということも意味します。

罪刑法定主義は、「これをしなければ罪に問われることはないんだ」という行動の予測可能性を担保できますし、ひいては、それが国民の行動の自由を保障することになりますよね。

また、このように罪刑を掲示しておけば、
「悪いことはしちゃいけないんだ」
という、秩序維持の機能も担うことができます。

刑法は、罪刑法定主義の具体化である

刑法は、罪刑法定主義の具体化です。一つ条文を見てみましょう。

 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし
5年以上の有期懲役に処する

これは、刑法236条1項の強盗罪の条文です。

この条文のうち、
「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した~」の部分は、罪刑法定主義の「罪」の部分ですね。ちょうど、オレンジの部分です。これを刑法ではこれを「構成要件」と言います。236条1項強盗罪を構成する要件ですね。

そして、「5年以上の有期懲役に処する」が罪刑法定主義の「刑」、刑罰の部分です。緑の部分です。

刑法第236条1項という条文化されているということは、法定、法にて定められているということですよね?

罪と罰が法定化され、誰でも見ることができる。だから、「これをしなければ強盗罪にはならないんだ」という予測可能性が担保できますし、罪を犯されない秩序維持も期待できる。

これが罪刑法定主義です。

逆に言えば、法定化されていない罪を問うことは許されませんし、法定化されている以上の重い刑罰を科すこともできません。これは罪刑法定主義に反するからです。