個人的には、こういうのは出題され易いと思っている。代表民主制とその例外、セットで覚えておこう。
代表民主制は、国民主権、民主主義を全うするために必要な制度であるとお話しましたが、実は、その例外もあるんですね。
つまり、国民(有権者)が直接主権を行使する場面が。代表民主制(前文、43条1項)の例外が、日本国憲法では3つ設けられています。
憲法で規定されている、3つの例外
- 第79条2項(最高裁判所裁判官の国民審査)
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最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
- 第95条(特別法の住民投票)
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一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。
- 第96条1項(憲法改正)
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1 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
最高裁判事の国民審査(79条2項)は、我々国民にとって、何気にもっとも身近な直接民主制かもしれません。
衆議院選挙の投票の際、選挙区、比例区と投票して、もうひとつ投票しますが、あれが最高裁判事の国民審査なんですね。一応ですね、あれで司法にも民主的コントロールを及ぼそうという趣旨なんですね、形式的には。
次の特別法の住民投票(95条)ですが、これは、ある特定の地方公共団体において、その地方公共団体のみに適用される「地方自治特別法」の制定は、その地方公共団体の住民の過半数の同意がなければダメ、制定できないというものです。そして、憲法改正(96条)ですが、最終的に憲法改正か否かは、国民投票に委ねられます。
国会は、あくまで憲法改正の発議まで。
余談:頭の体操として
以上のように、代表民主制が基本であり、一部例外あり、というのが、国民主権の行使の仕方ですが、頭の体操というか、「首相公選制」というのは憲法上どうなのか?ということを考えてみてはいかがでしょうか?
もちろん、現行憲法上、総理大臣の選定方法は規定されていますので、はなっから憲法違反なのですが、代表民主制とその例外規定のみで考えてみると、良い頭の体操になるのではないでしょうか。
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