法律系資格試験の憲法において、最も重要且つ頻出箇所のひとつ。多数論点あるが、まずはそのベースとなる、なぜこういうことが問題になってくるのかは理解しておかなければならない。
人権というものは、人が人である以上、当然に有しているものであるとは何度かお話しています。
しかしながら、現実問題として考えると、「人は人である以上人権は保障されるのだ」、などと一口には言えません。そんな単純な問題ではないからです。
それは、実際にはどこが自分の人権を保障してくれるのかを考えれば誰でも分かることです。人権とはそもそも国家から保障されるものであって、その意味からすれば、人権保障と国家権力は不可分です。
日本国憲法は日本国民にだけ?
日本国憲法の第3章には「国民の権利及び義務」とあります。
これは、日本国憲法で規定されている人権は日本国民にのみ及ぶものと読めますし、そう考えていくのが自然な形でしょう。
ただ、現実として現在、日本で生活している人は、
なにも日本国民だけではありません。
日本国憲法の人権保障の対象外と解される日本国民ではない外国人にも当然にして人権はあります。
そこは日本国憲法とは関係なく、外国人にも人権はあるのです。
日本にいる外国人にだって、人権は保障されるべきです。
問題提起
ただ、その人権保障は、日本国民と同様であるべきなのか、
そうでないのか。
外国人に対して、どのようなバランスで
人権保障というものを考えていくべきなのか。
これは大きな問題提起ですよね。
また、現代社会では国民一人一人が社会活動を行っているわけではありません。
法人という組織も社会活動を行っています。
存在・影響力は非常に大きく、
人権保障、人権侵害の主体として無視はできないでしょう。
さらに、構成員の個人と法人の関係についても同じことが言えます。
無論、法人の構成員は人権保障の主体となる個人なわけですが、
法人という組織自体は人権保障の主体としてふさわしいのかどうか、
ふさわしいとして、どこまで認められるのか。
このように、
日本国民は当然として、それ以外の人権保障の対象となり得る主体は人権保障が及ぶのか、さらに、及ぶとすればその範囲はいかなるものか、
という議論が人権の享有主体性の問題です。
下のイラストのようなイメージですね。
日本国民の要件
それでは、各論に入っていきたいのですが、
その前に、日本国憲法第3章「国民の権利及び義務」で言うところの「国民」というものを定義しておく必要があります。ここで言う「国民」は、国民主権の「国民」とは違うお話ですのでご注意ください。
日本国民とは、日本国籍を有する者のことです。
10条にこんな規定があります。
- 第10条【日本国民の要件】
-
日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
この10条を受けて「国籍法」という法律がありますが、
この法律によって日本国民たる要件が定められています。
各論
未成年の人権享有主体性
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