前編はこちらからどうぞ。
結論は正確に把握しておく
規範が定立されて当てはめがありますが、この当てはめから裁判の結論までの部分は、ある程度正確に把握しておきましょう。
先のマクリーン事件でいえばこういうことです。
規範定立の後、
- 在留外国人の政治活動の自由については、日本国民の政治的意思決定や実施に影響を及ぼさない範囲では保障される(決して保障されないわけではない)。
- 22条1項の居住・移転の自由は、外国人の入国(再入国)の自由を保障するものではなく、在留含めた法務大臣の決定は広範な裁量権が認められている(あまりにもひどい決定でもない限り、違法にはならない)。
- 在留外国人の人権保障は、あくまで在留制度の枠内において保障されているものにすぎず、在留期間中の行動が更新の可否の判断材料になっても仕方がない。
駆け足的ですが、ざっとこんなことが判旨されました。
ざっとですが、事実としては正確です。
- 在留外国人の政治的活動の自由や居住・移転の自由の保障
- 法務大臣の裁量権について
- 在留期間中の行動が更新可否に影響を及ぼし得ること
など、事実として正確に覚えている受験生はどのくらいいるでしょうか?
合格していく受験生はこういうところは正確に覚えていますし、
こういう知識は、普通に出題されます。
マクリーン事件級の重要判例を仮にS級~A級としたら、10~15ぐらいあると思いますが、まずはそこからしっかりまとめておきましょう。そして、そこをクリアしたらB級というようにまとめておくと良いと思います。
判例は何で勉強するか
さて、その憲法の判例の勉強ですが、何で勉強すれば良いでしょうか?
試験に出てくるような判例については、判例集なるものが市販されています。もちろん、憲法もあります。
司法試験受験生だったころは、「資格試験や講義に対応できる文献紹介」にあるような判例百選なる判例集を買ってきて利用していました。
ただ、司法試験受験生ならともかく、司法書士試験や行政書士試験、公務員試験の受験生にはオーバースペックかなとも思います。ここまで必要ないかな・・・
もちろん、ほしいのを止めるわけではないですが、新品だと4千円ぐらいしますからね、必要ないのを無理やり勧めるのもアレですから。
スクール受講されている方ならそのテキスト、さもなくば、市販の予備校テキストがよろしいと思います。判例百選のページでも紹介していますけど、ね。
市販の予備校テキストは、判例の重要な部分だけ掲載していますから、知識の整理に良いと思います。
2つの代表的な予備校市販テキストをご紹介します。
こちらが伊藤塾の試験対策講座憲法、通称「シケタイ」です。
クリックでもっと大きな画像が出てくると思います。
で、下がC-Book憲法Ⅰ、人権の方ですね。
どちらも使いやすいと思いますよ。
シケタイが1冊、C-Bookが人権と統治機構の2分冊、価格は合わせれば同じよなものです。
中古でもいいと思いますが、必ず最新版を。
ちなみに、行政書士用のものとか司法書士用のものは、判例学習用としては使えないと思います。こちらの2冊は、判例用としても憲法全体の学習用としても重宝するはずです。
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