9条については、社会的重要度・関心度に比べて、試験的にはそれほどでもない。ただ、無視はし辛いで、条文解釈を中心に、時間的に余裕があれば。
- 第9条【戦争放棄、戦力及び交戦権の否認】
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日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
日本国憲法の規定の中で、一般的に最も有名な規定であり、かつ、最も関心のある規定でしょう。
9条の表題を見れば、戦争を放棄し、さらに「戦力」とその戦力を行使する交戦権を否定しています。しかし、我が国では「自衛隊」という組織が存在しており、一見、この規定と矛盾するように見えます。
この点、どうなのでしょうか。
余談ですけど・・・
この9条、どのレベルの法律系資格試験共通ですが、決して重要論点だとは言えません。行政書士試験でいえば、過去に出題されていたかどうか・・・少なくとも、ここ10年では出ていません。
理由のひとつは、私見ですけど(多分合っていると思います)、判例として見解が出されていないからだと思います。国の安全保障に関する提起は、過去に何度かなされていますし、地裁レベルとかではその裁判官の見解も出されています。
しかし、そのレベルの判決が「判例として」扱われるわけもなく、試験問題として出題されるのにはふさわしくないといえるでしょう。
ここでお話することは、多くがあくまで学者の学説にすぎないということは留意しておいてください。ただ、各定義や、9条の論点や自衛隊の政府見解などは、知っておくべきものです、法律家を目指す者の常識知識として。
9条の解釈の方向性
この9条の解釈問題について、以下3つの点について留意しておいてください。
- 「戦争」には2種類あり、それは侵略戦争と自衛戦争である
- 自衛戦争と自衛権は必ずしも一致するものではない
- 戦力と実力(自衛のための最小限度の実力)は必ずしも一致するものではない
以上の点に留意して頂いた上で、お話を進めていきます。
各論
9条の解釈は、ほぼキーワードの解釈になります。
そのキーワードとは、「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」です。この3つのキーワードと、それらにまつわるキーワードを解釈することによって9条は何を謳っているのかを解明していきます。
戦争の放棄
9条の大きな命題は「戦争の放棄」ですが、ここで放棄するとしている「戦争」とはどういった性質の戦争なのかがポイントになってきます。
そして、その戦争論を含めて9条を解釈していきます。
戦力不保持
ここでは、政府は自衛隊をどう捉えているのかをお話していきます。憲法では戦力の保持を禁止していますが、自衛隊は戦力でないのか。
交戦権の否認
9条では2項で交戦権を否定していますが、交戦権とはどういった権利なのか。しかしながら、現在の憲法下ではあまり有意義な議論になっていません。
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9条からいえば。不戦を言っているのだから。自衛の為の戦い。そして自衛隊は。当然違憲です。あまりにも勝手な解釈をしちゃうのであれば。どんな憲法を作っても無意味です自衛のため云々でしたらまず憲法改正してから。戦争なんて絶対する物では無い
破壊そして殺人。70年前を知っている人が少なくなって来ましたが。日本はもうどんなことがあっても戦争だけはしてはいけません。かつて他国からの侵略に対し劣る力劣る武力で抵抗した国が徹底的に破壊され大勢死者を出して。屈服したアジアの国々がありました、一方ほとんど抵抗しなかった国は破壊も免れました。後に独立戦争で独立しましたが。自衛隊を作ったということは結局自衛のため破壊と殺人の戦争をすることになるのでしょう。武力では平和は作れません。
吉野勝夫
抵抗しなかった国ってどこでしょ。
大勢死に大勢焼けだされる悲劇 いつの話しですか?もしかして 70年前で時が止まってませんか?
今の戦争は殺し殺さんでも相手国の通信インフラ破壊すりゃ終るんです
武力では平和は作れません。 違います。
今の平和って武力秩序が保たれているからこそあるもの。
平和とは戦争の間の準備期間にすぎん
かつて他国からの侵略に対し劣る力劣る武力で抵抗した国が徹底的に破壊され大勢死者を出して。屈服したアジアの国々がありました、一方ほとんど抵抗しなかった国は破壊も免れました。後に独立戦争で独立しましたが。自衛隊を作ったということは結局自衛のため破壊と殺人の戦争をすることになるのでしょう
⇒その独立も日本が支援してることをわすれないでほしい。
吉野勝夫様へ
「武力では平和は作れません。」という点で全く同意です。
自衛のために憲法改正をして、自衛隊の活動を合法化していくのは、どういうことでしょうか?それがどんどん進められていったら、日本はどうなってしまうのでしょう。
国民として自衛隊の活動を知る権利はどうなっているのでしょうか。
口では平和を言いながら。右え右えと舵をきり!日本丸はどこえ行く。昔の焼土。300万の亡霊を、広島、長崎をも忘れたか。食べるもの着る物寝るとこさえも無かったんだぞ。真の平和を語るなら。軍隊でなく話し合いに
専念すべき。武力では勝つても負けても。怨念を生むだけ。平和なんて来ないだろう。憲法9条を文章のまま厳格に守り。拡大解釈なんてもっての外。ここ70年が良い例だ。これからも100年1000ねん人に恨まれたり。人を傷つけたりしない日本であって欲しい。自衛であっても戦争は戦争だ。大勢死に大勢焼けだされる悲劇が生まれるのだ武器武力なんていりません。陸海空軍要りません
吉野さん
貴方のような方が居るからこれまでまともな国が作れず、この様な情けない誰も真実を語れない国に成ってしまったのです。
憲法九条を保持し続ければ、そして忠実に遵守すれば日本は確実の滅びゆくでしょう。
現憲法上、自衛隊は間違いなく違憲です。どんなに苦しい言い訳をし解釈を捻じ曲げても100パーセント違憲です。我々は子供に嘘を教えてはいけません。
子供は純粋です。合憲だと言ってみても絶対に納得しないでしょう。
だから我々日本人は子供にも世界にもこれ以上嘘をついてはいけません。
はっきりと憲法改正を宣言しなければなりません。
それこそが誠実であり正しい行いです。
私は吉野さんに賛成意見の者です。
今、仕事で欧州に住んでいます。そしてシリア難民の人々と一緒に語学を習っています。本当に戦争が無いから、平和だからこそこのように意見を自由に交わせます。また、教育をきちんと受けられるのも平和だからこそです。戦いがあれば国は荒廃し国民としていられなくなり色々な危険を冒して他国へ逃げて行く人も出て来ます。それこそ国が滅びます。憲法の解釈も大事ですが、武力に対して武力で対抗すると泥沼になる事は歴史を見ても明らかです。キレイ事では無く平和的解決のみが唯一無二の方法です。
公海上を航行中の日本の客船が国籍不明の艦船から銃撃を受けていたとしたらどうします?海上自衛隊が駆け付けて「やめろやめろ」と言うだけ?その間に日本人の死傷者はどんどん増えていきますきよ。なんらかの武力攻撃にて事態の打開を計らなくてはなりません。それすら現憲法下ではできないんですよ。全くもっておかしなハナシです。