憲法というものを理解する場合、何らかの比較対象があるといいと思い、法律を比べてその違いを見てみることにします。

同じ「法」ではありますが、憲法は法律ではありませんし、法律と憲法を同種に扱うことは間違っているんですね。

法律とは

世の中には「法律」というものがあります。あなたは、「法律って何?」と聞かれたら、どう答えますか?ちょっと難しいですよね?

ルールといえばルールだし、決まり事といえば決まり事。なんとなくイメージはあるんでしょうが、言葉にするとイマイチ出てこない。そんな感じではないでしょうか。

ルールでも決まり事でも、どちらでも合ってますが、点数にすると55点ぐらいかな。言葉足らずです。「正解!」と大きな声では言えません。

ひとつ言えるのは、
法律とは社会の秩序を守るためのルールであるといえるでしょう。この法律というものがなければ、社会はその体をなすことができなくなり、それ相応の混乱が生じます。そうなれば、国家などというものは成り立ちません。

法律とは、国家が国民に対して、権利や自由を制限するためのもの

人は、本来的にそれぞれ自分の好き勝手したいものです。やりたい放題したい人間が一定数集まれば、秩序を保つためには規制する必要がありますよね?

その国民を規制するルールを作るのは誰?
それな議員達、つまり、国会という国家権力です。
そして、それを行使するのは行政(内閣)、これも国家権力。

ルール違反をすればその法律を社会に落とし込む国家からペナルティを受けることになりますが、それを裁くのは、裁判所。
これも国家権力です。

つまり、法律とは、国家が国民に対して、権利や自由を制限するためのものという側面があるんですね。そして、その大義名分は「憲法理念の具体化」であり、それは「社会秩序の安定」です。

「法律が国民の字通や権利を制限するもの」の一例

例えば、日本の法律では、その意思を持って人を殺せば刑法の殺人罪(刑法第199条)という罪に問われます。

これは、国会で制定された刑法規定であり、その者を逮捕・拘束して裁判の準備をするのは警察や検察官という行政機関、行政機関が集めた証拠等をもとに罪を償わせるかを決めるのは裁判所。

この場合、犯人は身体拘束あるいは死刑という、非常に重い人権侵害を受けるわけですが、そもそも、犯人は「殺人」というこれも非常に重大な人権侵害をしたわけですから、それ相応の人権侵害を受けてもやむを得ない、これも憲法の要請である(死刑の是非については、この際別問題とさせてください)と考えるわけです。

また、女性の婚姻(結婚)は、16歳にならないと法律上許されません(民法第731条)。これだって、婚姻に年齢制限を設けることによって、16歳未満の女性の結婚したい(する)権利・自由を制限していることになります。

このように、法律の種類によってその目的は変わりますが、法律とは国家側が国民に対して権利や自由を制限する法規と言っていいものです。

法律によって国民の権利・自由が守られている

しかし、繰り返しますが、この「法律」というものが存在することによって、一定の社会の安定・秩序が保たれているわけです。

あなたの生命・財産は、あなたの生命・財産を狙っている者から法律によって守られているといっても過言ではないのですね。

法律によってあなたの権利・自由が制限されている部分があるかもしれませんが、逆に法律によってあなたの権利・自由が守られていることだってあるわけで、その意味で社会秩序が保たれているわけです。